統合データベースプロジェクト ヒトゲノムバリエーションデータベース共有方針
現在、疾患関連遺伝子の探索においては非常な勢いでヒト遺伝子に関する情報が増加しており、これらの大量データの有効活用が急務である。文部科学省委託研究開発事業「統合データベースプロジェクト」はこのようなデータが広く共有されることを目的としており、様々なデータの共有に向けて施策を進めている。本方針は、「統合データベースプロジェクト・疾患解析DBグループ」(代表機関 国立大学法人東京大学)(以下、「疾患解析DBグループ」)におけるゲノムワイドな多型情報および関連解析情報(GWAS)および疾患関連遺伝子のリシークエンシングデータについての共有方針について述べたものである。データの内容に応じて以下の6カテゴリーのデータを3つのレベルに分類して、それぞれのレベルに対する共有方針を定める。なお、データのデータベースへの提供とアクセスについては、「疾患解析DBグループ」内にデータ共有審査委員会(以下、「データ共有審査委員会」)を設置し審査を行う。委員会メンバーには「疾患解析DBグループ」の外部の委員を複数含めることとし、科学面・倫理面・その他の観点から検討を行う。
<本共有方針の概要>
データのカテゴリー/レベルとデータ使用時の手続き等について
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レベル |
1 |
2 |
3 |
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データの種類 |
GWASデータ |
カテゴリーA(頻度データ、統計解析結果) |
カテゴリーB(個体レベルでのCNV情報) |
カテゴリーC(GWAS遺伝子型データ) |
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カテゴリーD(GWAS生データ) |
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リシークエンシングデータ |
カテゴリーE(公知のリシークエンシングおよび変異データ) |
カテゴリーF(リシークエンシングおよび変異データ) |
(該当なし) |
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データ使用時の手続き等 |
ウェブサイトにおいて、閲覧可能。但しカテゴリーAのデータを大量取得する場合はレベル2と同様の申請を要する。 |
氏名、職名、連絡先、使用目的、e-mailアドレス(原則、所属機関から発行されたアドレス)を申請する。 |
データアクセス申請書を提出し、許可を受ける。また、使用期間に応じて、データ使用報告書の提出を要する。 |
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データの安全な取り扱いについて
レベル3のデータに関しては、データアクセス同意書(http://gwas.lifesciencedb.jp/gwasdb/db_form/db_duc.pdf)を提出し、セキュリティガイドライン(http://gwas.lifesciencedb.jp/gwasdb/gwas_secr.html)に従って、アクセスの許可されたデータを安全に取り扱うものとする。
大量のレベル1データおよびレベル2データに関しては、ウェブサイト上に記載されたデータアクセス条件(http://gwas.lifesciencedb.jp/gwasdb/db_term.html)に同意するものとする。
1. データのカテゴリー
データの種類を、ウェブサイト上で広く一般に閲覧可能なレベル(レベル1、下記、A、Eカテゴリーが該当)、研究者や関連分野の業務従事者が登録すれば閲覧できるレベル(レベル2、B、Fカテゴリーが該当)とアクセス制限を設けるレベル(レベル3、C、Dカテゴリーが該当)に分ける。
<GWAS関連データ>
A. 頻度データ、統計解析結果(frequency data、statistical values):アリル・遺伝子型頻度データ、Hardy-Weinberg平衡検定、関連解析結果等の解析後データ、遺伝子・ゲノム変異(SNP, CNV, マイクロサテライトを含む)の集合情報、個人の特定ができない臨床情報
B. 個体レベルでのCNV情報:SNPごとの強度を含む個体レベルでのCNV情報一覧、ただし配列等以外に提供される情報は以下のものに限る。
・染色体上の位置、方向(+/-鎖)
・発症時あるいはサンプル収集時の年齢(年齢幅を10歳で記載、但し、疾患に応じてより短い時間幅での記載を考慮する)
・臨床表現型に限った記述(病型及び病型に相当する情報、もしくは、疾患のタイプ分けに必要な情報)
・性別
C. GWAS遺伝子型データ(genotype data):匿名化済み個人のタイピング結果および臨床情報、ただし配列等以外に提供される情報は以下のものに限る。
・染色体上の位置、方向(+/-鎖)
・発症時あるいはサンプル収集時の年齢(年齢幅を10歳で記載、但し、疾患に応じてより短い時間幅での記載を考慮する)
・臨床表現型に限った記述(病型及び病型に相当する情報、もしくは、疾患のタイプ分けに必要な情報)
・性別
(個人ごとのデータであっても、すでに文献等で発表され、公知となっているデータは本カテゴリーに含めない)
D. GWAS生データ(raw data):匿名化済み個人のgenotype決定以前の生データおよび臨床情報、ただし配列等以外に提供される情報は以下のものに限る。
・染色体上の位置、方向(+/-鎖)
・発症時あるいはサンプル収集時の年齢(年齢幅を10歳で記載、但し、疾患に応じてより短い時間幅での記載を考慮する)
・臨床表現型に限った記述(病型及び病型に相当する情報、もしくは、疾患のタイプ分けに必要な情報)
・性別
(個人ごとのデータであっても、すでに文献等で発表され、公知となっているデータは本カテゴリーに含めない)
<リシークエンシング関連データ>
E. 公知のリシークエンシングデータおよび変異データ:匿名化済み個人の特定遺伝子領域におけるリシークエンシングデータおよび変異情報と付随する臨床情報であり、論文・学会での発表が行われて公知となっているもの。この場合、変異の存在が既知あるいは文献等で発表されて公知である場合、その変異を含む遺伝子以外の同一個人由来の遺伝子領域についても、データ提供者の指示する範囲でアクセス制限無しに公開できるものとする。ただし、データの掲載は最大でも遺伝子単位とし、複数遺伝子領域が同一個人由来であることが明示されないような方法で提供されるものとする。また、配列等以外に提供される情報は以下のものに限る。
・染色体上の位置、方向(+/-鎖)
・発症時あるいはサンプル収集時の年齢(年齢幅を10歳で記載、但し、疾患に応じてより短い時間幅での記載を考慮する)
・臨床表現型に限った記述(病型及び病型に相当する情報、もしくは、疾患のタイプ分けに必要な情報)
・性別
F. リシークエンシングデータおよび変異データ:匿名化済み個人の特定遺伝子領域におけるリシークエンシングデータおよび変異情報と付随する臨床情報で、公知となっていないもの。ただし、配列等以外に提供される情報は以下のものに限る。
・染色体上の位置、方向(+/-鎖)
・発症時あるいはサンプル収集時の年齢(年齢幅を10歳で記載、但し、疾患に応じてより短い時間幅での記載を考慮する)
・臨床表現型に限った記述(病型及び病型に相当する情報、もしくは、疾患のタイプ分けに必要な情報)
・性別
いずれのカテゴリーに属する情報であっても、より詳細な臨床情報等を必要とする場合は、データ提供者と直接の共同研究を行って下さい。
2. レベル1のデータ(カテゴリーA, E)について
個人毎の情報が含まれないか、すでに一部が公知となっているデータであって、研究成果の公表に当たると考えることができ、ウェブサイトにおいて、特に認証等必要なく閲覧可能である。
1)データベースへのデータの提供
データを提供しようとする研究者や関連分野の業務従事者は、氏名、所属、住所(所属)、e-mailアドレス、データの概要などを添えて、データを「データ共有審査委員会」に送付する。送付先:gwas@lifesciencedb.jp
2)データの使用申請手続き
1. ウェブサイトにおいて、特に認証等必要なく閲覧可能である。
ただし、ウェブサイトからは個人の特定につながる可能性のある連続的かつ大量のデータをダウンロードすることはできない。カテゴリーAに属する大量(例 ゲノムワイド)のデータを希望する研究者や関連分野の業務従事者は、レベル2のデータと同様の登録が必要となる。登録に際しては、氏名、職名、連絡先、使用目的、e-mailアドレス(原則として所属機関から発行されたアドレスを用いるものとする)を「データ共有審査委員会」にウェブサイト(http://gwas.lifesciencedb.jp/gwasdb/catA.html)から申請する。登録者には、IDとパスワードが発行される。
2. データの使用に際しては、ウェブサイト上に記載されたデータアクセス条件(http://gwas.lifesciencedb.jp/gwasdb/db_term.html)に記載された事項を遵守する。
3. レベル2のデータ(カテゴリーB、F)について
個人を特定し得ない情報であり、研究者や関連分野の業務従事者が閲覧することに意義があるとデータ提供者が考えるデータについては、研究者や関連分野の業務従事者が「データ共有審査委員会」に登録することにより、自由に閲覧できるものとする。
1)データベースへのデータの提供
データを提供しようとする研究者や関連分野の業務従事者は、氏名、所属、住所(所属)、e-mailアドレス、データの概要を添えて、データを「データ共有審査委員会」に送付する。送付先:gwas@lifesciencedb.jp
2)データの使用申請手続き
1. データの使用に際しては、登録が必要となる。登録に際しては、氏名、職名、連絡先、使用目的、e-mailアドレス(原則、所属機関から発行されたアドレスを用いるものとする)を「データ共有審査委員会」にウェブサイト(カテゴリーB: http://gwas.lifesciencedb.jp/gwasdb/catB.html, カテゴリーF: http://reseq.lifesciencedb.jp/resequence/registration_j.html)から申請する。登録者には、IDとパスワードが発行される。
2. データの使用に際しては、ウェブサイト上に記載されたデータアクセス条件(http://gwas.lifesciencedb.jp/gwasdb/db_term.html)に記載された事項を遵守する。
4. レベル3のデータ(カテゴリーC、D)について
レベル3に属するデータには個人毎の情報が含まれる。研究参加者(試料提供者)のプライバシー保護の観点から、共有についてはとりわけ慎重な手続きが必要である。なお、このカテゴリーのデータは「制限アクセスデータ」と呼ぶ。
1)データベースへのデータの提供
1. データを提供しようとする研究者や関連分野の業務従事者は、データ提供申請書(http://gwas.lifesciencedb.jp/gwasdb/db_form.html)を「データ共有審査委員会」に予備的に提出する(@)。「データ共有審査委員会」は、提出された内容について以下の点を検討し、データ提供が適当であると判断した場合には、データを提供しようとする者に対してデータ提供推奨の通知を行う(A)。
・ インフォームドコンセントがデータ共有を可能にするものとなっているか。(得られた結果についてはデータベースへの登録を行う旨が記載されているか。)
・
取得されたインフォームドコンセントにおいて、研究参加者がインフォームドコンセントを撤回した際のデータ運用方法について説明されているか。
(例)サンプルが連結不可能匿名化されている場合は、インフォームドコンセントが撤回 された場合もデータベースから当該データを削除することが不可能であることなど。
・ データ共有をする価値がある試料についての研究プロジェクトであるか。
2. データ提供推奨の通知を受けた者は、データ提供を各所属機関へ報告し、「データ共有審査委員会」にデータ提供申請書を提出して審査を受けなければならない。(B)
3. 各所属機関への報告ののち、「データ共有審査委員会」の承認(C)を得た者は、解析データを連結不可能匿名化した上で「疾患解析DBDBグループ」データベースにデータを提供する(D)。 2)データの使用申請手続き 1. データを使用しようとする研究者や関連分野の業務従事者は、「データ共有審査委員会」にデータアクセス申請書 (http://gwas.lifesciencedb.jp/gwasdb/db_form.html)を提出(提出先:gwas@lifesciencedb.jp)し(E)、データ使用の可否の審査を受ける。また、所属機関の規則等により、倫理審査を必要とする場合には、所属する機関の倫理審査委員会に研究計画申請を行い(E)、審査を受ける。 2.「データ共有審査委員会」(および所属機関の倫理審査委員会による審査が必要な場合はその審査)によって承認された後(F)、データ使用を申請した者は、第三者への提供の禁止、個人の特定につながる行為の禁止などの条件を列挙したデータアクセス同意書を「データ共有審査委員会」へ提出する(G、提出先:gwas@lifesciencedb.jp)。 3.「データ共有審査委員会」は、データアクセス同意書を確認した上で、IDとパスワードを申請者に発行する(H)。 4. 申請者はIDとパスワードを用いてデータベースにアクセスする(I)。 (使用するデータの形状や量によっては、メディア等により提供される場合もある。必要なメディア等は「データ共有審査委員会」の指示に従って申請者が準備すること。) 5. データを使用する者は、使用状況を申請したデータ使用期間の毎年度末に「データ共有審査委員会」に報告する(J)。(報告書書式はhttp://gwas.lifesciencedb.jp/gwasdb/db_form.html) 6. データの使用に際しては、データアクセス同意書およびセキュリティガイドライン(http://gwas.lifesciencedb.jp/gwasdb/gwas_secr.html)に記載された事項を遵守すること。 以上の方針、及び手続きに係る文書は、Webによって公表し、広く周知する。本共有方針等の内容については、必要に応じて「データ共有審査委員会」が随時見直すものとし、変更内容は事前にウェブサイトにおいて公表し、一定期間ののち適用する。 以上 施行日:2009年12月1日 改訂日:2010年4月30日
統合データベースプロジェクト疾患解析DB開発
「倫理検討委員会(データ共有審査委員会準備委員会)」委員名簿
位田隆一(委員長、京都大学法学研究科)
井ノ上 逸朗 (東海大学医学部)
加藤和人(京都大学人文科学研究所)
金森修(東京大学教育学研究科)
辻省次(東京大学医学系研究科)
徳永勝士(東京大学医学系研究科)
福嶋義光(信州大学医学部)
武藤香織(東京大学医科学研究所 )
米本昌平(東京大学先端科学技術研究センター)
以上